Freeすごろくで学ぶ参勤交代 藩政時代から続く伝統体験/久慈

「参勤交代道中双六」を囲んで南部光隆さん(中央)の解説を聞く参加者=11日、久慈市
「参勤交代道中双六」を囲んで南部光隆さん(中央)の解説を聞く参加者=11日、久慈市

1797年ごろに作成されたとされる八戸藩南部家伝来の「参勤交代道中双六(すごろく)」を体験するイベントが11日、第16代当主の南部光隆さん(埼玉県)を講師に迎え、久慈市の道の駅くじやませ土風館で行われた。参加者は八戸から江戸までの奥州街道、日光街道沿いの宿場町の風土についてサイコロを振りながら楽しく学習した。

 すごろくは、当時商人兼武士で、参勤交代に同行した経験があった俳人の三峰館寛兆(松橋宇助)が作成したとされる。南部さんによると、南部家では正月遊びの一つになっていて、すごろくを通じて参勤交代の大変さを学んでいたという。

 イベントは、かつてこの地を治めた八戸藩について理解を深め、地域の良さを再認識しようと、特定非営利活動法人北さんりく創研(日當光男筆頭理事)が開いている。

 参加者は4人ずつ6グループに分かれ、宇都宮(栃木)まではサイコロ2個、その先は1個を振って計約100マスで競った。各マスには各宿場町の歴史や名所などが記されており、各グループが止まるたびに南部さんが面白おかしく解説を加えた。

 参加した久慈市の女性(72)は「宿場町によっては知らなかった歴史もあり、ためになった。参勤交代の道中のことを絵や文字で記録した当時の人はすごいなと感じた」と話していた。

 前日の10日は、八戸市南郷の「舘のやかた」でも開催されたほか、参加者はすごろく作成者のゆかりの地として、三峰館寛兆が眠る天徳院を墓参した。

 
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