Free先進医療や環境 量子科学センター(六ケ所)の活用策探る 青森市でセミナー

講演する八戸工業大の佐藤学教授
講演する八戸工業大の佐藤学教授

青森県は23日、青森市で県量子科学センター(六ケ所村)の利活用促進セミナーを開いた。先進医療や環境問題といった幅広いテーマで県内研究者が現状を紹介し、参加者が新たな活用策に思いを巡らせた。

 センターは2017年に開設され、メインの研究設備であるサイクロトロン加速器などを備えた「レンタルラボ」。18~22年度には大学や企業などから延べ約20万人が利用している。

 弘前大大学院医学研究科の米山徹助教は、加速器の照射で2次的に得られる中性子とホウ素の反応を利用した放射線がん治療「ホウ素中性子捕捉療法」(BNCT)について、人体に投与するホウ素薬剤の新規開発が急がれると指摘した。

 八戸工業大の佐藤学教授は、エックス線による海洋中のマイクロプラスチックの元素分析を活用事例として紹介。原子力基礎教育の一環で学生と共に実施したといい、センターの存在について「放射線利用を実感できる教育機会として大変有意義」とアピールした。

 セミナーは19年から開催され、同日で3回目。県内の医療や大学関係者ら約70人が出席した。

 
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