Free八戸・櫛引城の歴史に光を 地元飲食店で御城印販売

櫛引城の御城印をPRする清川繁人教授(右)と八重倉幸子さん

八戸市八幡の飲食店「まちの茶屋 しゃべるばあ~」で、地元にあった櫛引城の御城印(ごじょういん)販売が始まった。九戸政実と共に「九戸一揆」を起こし、豊臣秀吉に抵抗した櫛引清長の居城だが、知名度は低く、御城印を通じたPRと地域活性化を図る目的で製作。監修した青森大社会学部の清川繁人教授(63)=同市出身=は「規模の大きな城だが、あったことを知らない人も多い。地元を盛り上げるきっかけになれば」と、櫛引城の歴史に光が当たることを期待する。

 御城印は、和紙に城名や家紋などがデザインされたもので、全国的に広がっている。北東北地方でも同市の根城や二戸市の九戸城などで誕生。南部氏ゆかりの16城が連携した南部「御城印」プロジェクトが展開されている。

 清川教授は同プロジェクトとは別に、マイナーな城での御城印製作を手がける城跡・忍者研究家の佐藤強志さんの企画に協力。昨年9月に販売開始した青森市の油川城に続き、母の実家がある櫛引地区にあった櫛引城に白羽の矢を立てた。

 櫛引城は馬淵川東岸にあった戦国時代の城で、南部氏一族の櫛引(四戸)氏が拠点とした。櫛引清長は1591年の九戸一揆では政実に次ぐ中心人物と目されており、降伏後は政実と共に斬首された。櫛引城は翌年に破却されたようだ。

2種類セットで販売する櫛引城の御城印。右の家紋「丸に四つ目菱」は、津軽地方の櫛引家や櫛引地区の住民の多くが用いているとして、櫛引氏の家紋に推定したという

 御城印は2種類製作し、一方には城名と南部氏の家紋に流鏑馬(やぶさめ)のイラスト、もう一方には城名と清長の名、推定される櫛引氏の家紋をあしらった。昨年12月末に発売したばかりだが、広島県や東京都からも買い求めに来た人がいたといい、「しゃべるばぁ~」の八重倉幸子さん(64)は「コレクターの熱のすごさに圧倒されている。御城印を通じて櫛引城のことを知ってほしい」と話していた。

 価格は2種セットで700円(税込み)。同店は火曜定休。

 
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