Free電気バスで冬の奥入瀬渓流ツアー 青森県、バイパス完成見据え実証運行

奥入瀬渓流沿いを走行するグリーンスローモビリティの車両=5日、十和田市
奥入瀬渓流沿いを走行するグリーンスローモビリティの車両=5日、十和田市

青森県は6日、十和田八幡平国立公園の奥入瀬渓流沿いの国道102号で、「グリーンスローモビリティ(グリスロ)」を活用したネイチャーツアーを始める。渓流を迂回(うかい)する国道103号奥入瀬(青橅山)バイパスの完成後を見据えた社会実験として実施。結果を将来の交通体系などを検討する際の基礎資料とする。

 自然環境の保全や安全な道路空間の確保を目的に、渓流沿いはバイパス完成後、マイカーなどの通行が規制される予定。

 時速20キロ以下で走る電気自動車と、その移動サービスの総称であるグリスロは、規制後の観光客らの移動手段などとして有効とされることから、実証運行で導入可能性を探る。

 「新感覚のトレッキングバスツアー」と掲げ、周囲が透明ガラスで広く景観が楽しめる静音な電気バスを活用。定員は6人で、約2時間かけ、奥入瀬渓流館と雲井の滝の間を往復する。

 車両には専任のネイチャーガイドが同乗し、区間内の見どころを案内。氷瀑(ひょうばく)が見られる場所などでは降車し、厳冬の奥入瀬を体感することもできる。

 実施日は3月3日までの土日を中心とした指定日で、1日2往復運行。ツアーの参加費は無料だが、傷害保険料とマップ代として1人500円徴収する。

 5日は、現地で関係者向けの試乗会が行われた。事務局となるNPO法人奥入瀬自然観光資源研究会の川村祐一事務局長は「上質な自然を楽しめる乗り物として、グリスロの活用法を探っていきたい」と話している。

 問い合わせは、奥入瀬渓流館ガイドカウンター=電話0176(74)1233=へ。

 
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