Free田子に豚の繁殖農場建設 母豚最大3千頭飼育、年間搬送約4万頭/日本クリーンファーム

来年11月の完工へ向けて建設が進められている来満農場=11月8日、田子町(日本クリーンファーム提供)
来年11月の完工へ向けて建設が進められている来満農場=11月8日、田子町(日本クリーンファーム提供)

ニッポンハムグループの日本クリーンファーム(おいらせ町、吉原洋明社長)が田子町関栗ノ木平に建設している養豚場「来満農場」の竣工式(しゅんこうしき)が13日、現地で開かれた。繁殖が専門の同農場では、建屋8棟で母豚最大3千頭を飼育。AI(人工知能)発情検知サービス導入や妊娠時の個別柵廃止(妊娠ストールフリー)に取り組み、子豚の年間搬送頭数は約4万頭を見込んでいる。

 同農場は青森県と秋田県の県境付近にあり、以前は牧草地だった場所。4月に着工し、現時点で完成しているのは建屋1棟。建設と養豚を同時並行で進め、段階的に稼働しながら来年11月の完工を目指す。

 敷地面積は約1万平方メートル、総工費約45億円。繁殖専門のため、子豚は生後30日で別の肥育農場へ送られる。来年1月から母豚の導入、同10月から子豚搬送が始まるという。

 農場で導入するAI発情検知サービス「PIG LABO Breeding Master」は、日本ハムとNTTデータグループが共同で開発。豚舎に設置した複数のカメラで母豚の発情を検知できるため、飼育作業員が長時間観察を続ける負担を軽減できる。

 また、妊娠した母豚の動きを制限する個別柵の廃止は、家畜をストレスの少ない快適な環境で飼育する「アニマルウェルフェア」の対応につながる。

 親会社・日本ハムの広報IR部の担当者は「AI発情検知サービス導入などにより、養豚における労働環境改善や生産性向上を図り、持続可能な畜産を目指す」としている。

 
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