Free【号外で振り返る2023】⑤大谷 2度目MVP(11月17日)、大谷 ドジャース移籍(12月10日)

【号外】大谷 2度目MVP(11月17日)=PDF

岩手から羽ばたいた投打「二刀流」の男が、またしても野球界に大きな足跡を刻んだ。11月16日、米大リーグで活躍する大谷翔平選手が、アメリカン・リーグの最優秀選手(MVP)を2年ぶりに獲得。日本選手として初の2度目の受賞となった。

 大谷選手の偉業達成に先立つ10月26日、岩手にはある一本のグッドニュースがもたらされていた。「巨人、中大の西舘(一戸出身)1位指名へ/ドラフト会議」。西舘勇陽勇陽(ゆうひ)選手(21)は花巻東高校の出身で、大谷選手の後輩に当たる。15日には球団側と入団で合意。プロ野球選手としての人生を歩み始めた。

 12月10日には、去就が注目されていた大谷選手のドジャース移籍が発表。契約額は10年で約1千億円とされ、多くの人を驚かせた。

 西舘選手が巨人から与えられるのは、大谷選手と同じ背番号「17」。来たる年は、新天地に舞台を移す大谷選手に加え、西舘選手のプレーからも目が離せなくなりそうだ。

西舘投手のプロ入りを祝い、地元の一戸町では懸垂幕も設置された

【その時とそれから】

「プロで活躍」故郷に誓う 巨人ドラ1西舘投手が帰郷(11月20日)

小野寺美登町長(左から2人目)らに指名を報告した西舘勇陽投手(中央)と父の満弥さん(右)=19日、一戸町役場

10月に行われたプロ野球ドラフト会議で、巨人から1位指名を受けた中大の西舘勇陽投手(21)が19日、故郷の一戸町を訪れ、小野寺美登町長らに指名の報告を行うとともに、プロでの活躍を誓った。同日、町内で開かれた激励会では、大勢の町民が大きな拍手で出迎え、「おめでとう」「プロでも頑張って」と期待を寄せた。

 父の満弥さんと共に町役場を訪れた西舘投手は小野寺町長らとの懇談の場で、「まずは1年間、ずっと1軍にいられるようにしたい」と、目標を力強く宣言。高校や大学時代に縁がなかった日本代表についても触れ、「(いずれは)目指したい」と将来を思い描いた。

 小野寺町長は「これから町民一緒になって応援していく。開幕1軍を目指して頑張って」とエールを送った。

子どもたちに囲まれ、笑顔でガッツポーズする西舘勇陽投手(中央)=19日、一戸町

この後、西舘投手は一戸地区センター体育館で開かれた、町主催の激励会に出席。詰めかけた地元のスポーツ少年団のメンバーら約300人から盛大な激励を受けた。

 西舘投手はあいさつで、「ここまで来られたのは、指導者ら町の皆さんのおかげ」と感謝の言葉を述べた上で、「さらに野球と向き合い、真摯(しんし)に取り組んでいく」と決意表明した。

 引き続き、キャッチボールを通じての交流会や、直筆サイン入り色紙などのプレゼント企画が行われ、会場は大いに盛り上がった。

 児童たちとの質疑応答では、「普段はどんなことを考えてマウンドに立っているのか」「切れのあるボールを投げるためには、どうしたらよいか」などの質問が次々と挙がっていた。

 西舘投手の球を受けた、町立一戸小6年の小石川宗右君(12)は「とても楽しかった。自分もうまくなれるように、素振りやキャッチボールを毎日欠かさずやっていきたい」と刺激を受けた様子。

 町立一戸中時代に全国大会へ出場した際、野球部のコーチを務めていた湊尚美さん(59)は「立派になり、誇らしい。子どもたちから愛される選手になっていってもらいたい」と笑顔で話していた。

 
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