Free【北奥羽の地名】槍沢(うつぎさわ、五戸町倉石)/ウツギの原生林に由来

北奥羽の地名
北奥羽の地名

五戸町倉石石沢の槍沢地区は、落葉低木のウツギと、水がたまった場所を示す「沢」が地名の由来とされる。

 旧倉石村の村史には、「ウツギの原生林地帯があるのにちなんだ」との記述がある。ただ、ウツギの漢字に当たる「空木」ではなく、「槍」の字が使われている理由は正確に分かっていない。

 地域住民によると、地区にあるウツギは5月下旬から6月にかけて白い花を付ける。地元には「ウツギの花が咲けば子どもが水遊びできる」との言い伝えがあり、暖かい季節になる兆しだという。

 槍沢地区は立派なシダレザクラでも知られる。桜の時期には夜間にライトアップされ、花見客に人気のスポットとなっている。高さ約16メートル、満開時は直径20メートル以上にわたって花を咲かせ、樹齢は100年以上とされる。

 見事な枝ぶりの夜桜は幻想的で、闇夜に優雅な姿を見せる。シダレザクラを維持管理するのは、住民有志による「和の会」。小村喜幸代表は「集落の人たちは毎年桜が咲くのを楽しみにしている。立派な木は地域のシンボルだ」と話す。

 
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