Free上北沿岸に高規格道路を 三沢市など、県に要望

上北沿岸地域高規格道路(仮称)

三沢市などは27日、同市と六ケ所村を通る国道338号を複線化して下北半島縦貫道路に接続する「上北沿岸地域高規格道路(仮称)」の将来的な整備を目指す意向を明らかにした。上北圏域9市町村が来年度の重点事業要望書に新規で盛り込み、青森県に提出した。

 新たな高規格道路は、第2みちのく有料道路の三沢・十和田・下田インターチェンジ(IC)周辺から三沢空港を経由して、小川原湖の東側や同村のむつ小川原開発地区を抜け、下北縦貫道の六ケ所IC周辺につながるルートを想定する。

 東日本大震災で国道338号が一部通行止めになった経験を踏まえ、要望書では「南北アクセスの脆弱(ぜいじゃく)性が不安視され、都市基盤整備の複線化が求められる」と指摘。八戸方面と下北圏域の高速交通ネットワークも形成され「地域の発展に大きく寄与する」と強調した。

 県庁で行われた宮下宗一郎知事との意見交換では、小桧山吉紀三沢市長が「容易でないことは重々承知している」とした上で提案の意義を説明。戸田衛六ケ所村長は、下北半島の原発や核燃料サイクル施設の稼働を見据え「人や物の流れにプラスして、人の命の問題がさまざまな形で(道路整備に)反映されていく」と述べた。

 これに対して宮下知事は、現状では上北自動車道と接続する下北縦貫道の国直轄区間「野辺地七戸道路」を整備する優先順位が高いと説明。一方で原子力防災に資する可能性もあるため「(国や原子力事業者らが出席する)共創会議で触れていきたい」と応じた。 重点要望書には新たな高規格道路整備を含めて7件の最重点項目を入れた。

 
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