Free村民奉納、海運文化も示す 東通「圓流寺の六地蔵」、村有形文化財に

東通村有形文化財「圓流寺の六地蔵」の指定書交付式
東通村有形文化財「圓流寺の六地蔵」の指定書交付式

東通村砂子又高舘の圓流寺にある六地蔵が村有形文化財に指定され、13日に同寺で指定書交付式が開かれた。商人の寄進ではなく村民が中心となって奉納。福井市の足羽山(あすわやま)で産出された笏谷石(しゃくだにいし)が使われており、石材が北前船で下北地域へ搬出されたという近世の海運文化を示す点も評価された。

 村教委によると、指定は10月27日付。6体はいずれも高さ約1メートル、幅約38センチ。1829(文政12)年3月に小田野沢、白糠、下田代、尻労、猿ケ森、老部、上田代、砂子又の各集落の村民が奉納。発願主として老部邑(村)の坂本藤右衞門の名が刻まれている。

 保存状態が良く、彫りが繊細で清楚な感じという。笏谷石の六地蔵で文化財に指定されたのは青森県内初。194年にわたって地域の信仰によって保護され、仏教遺産としても価値が高い。指定に当たり、村教委は「元村文化財保護審議会委員の三浦順一郎さんによる長年にわたる調査・研究の功績が大きい」と説明している。

 交付式で、奥島涼子教育長から指定書を受けた松木成雄住職は「今後も大切に保存したい」と述べた。村指定の文化財は2017年以来、12件目となる。

 
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