Free東北最大級の堀跡など披露 聖寿寺館跡で現地説明会/南部

東北最大級の深さの堀跡などを解説した聖寿寺館跡発掘調査現地説明会
東北最大級の深さの堀跡などを解説した聖寿寺館跡発掘調査現地説明会

戦国時代の三戸南部氏が拠点とし、国史跡に指定されている南部町小向の聖寿寺館跡について、町教委は10月28日、発掘調査現地説明会を開いた。町内外から訪れた約110人に向けて東北最大級の深さ7・4メートルの堀跡などを披露し、同時代の北奥羽地方で最大とされる権勢の大きさを示した。

 本年度は約2150平方メートルを調査。初めて発掘した東側堀跡では、二つの堀底を確認。上端幅約15メートルで底幅約0・5メートルのV字型の薬研堀が見つかった。案内役を務めた布施和洋総括主査は「来年度調査予定の南側は、より深い堀跡が見つかる可能性がある」と期待感をにじませた。

 さらに、堀底は従来奥州街道だったと考えられていたが、狭さや水の存在を示す堆積物により、通路としての使用は困難と想定。通説を覆した。

 そのほか、城館北東部の竪穴建物跡から発見した、銅を整形した太刀の足金物をはじめとする出土品を紹介。城館南西部で見つかった複数の溝跡は、塀や溝による区画といった空間利用を考える上で重要な手がかりであると説明した。

 
お気に入り登録