Free【吉田屋食中毒】米飯委託、今後は行わず 再発防止へ衛生管理徹底/社長会見
再発防止、信頼回復に向け精いっぱい努力する―。八戸市の駅弁製造会社「吉田屋」の吉田広城社長は21日の記者会見で、同社の駅弁が原因の全国的な食中毒について、市保健所が示した改善指示に対する対応策を明らかにした。同社は18日付で、主な原因となった米飯製造の委託を今後一切行わないことや、衛生管理に関する記録の徹底などを示した改善報告書を市保健所に提出。吉田社長は「保健所と共に再発防止に向けてシステムを構築し、丁寧に、確実に実行していく」と述べた。
同社は昨年から岩手県の業者に米飯の製造を委託。これまでに計13回にわたり、米飯を納入してきた。食中毒発生の大きな要因について、吉田社長は製造委託した米飯を指示より高い温度で受け入れ、独自の判断で冷却して使用したことが一端だ―と説明。米飯受け入れ時の手順書を作成した上で、今後は一切委託を行わず、その他の外部から持ち込む外箱についても殺菌処理を徹底するとした。
今後は原材料受け入れ時の手順書を整備するほか、従来は使用した食材を1種類ずつ保存していた「検食」についても、製造工程ごとの保存を義務化。臨時従業員にも就業予定日3日前に「鼻前庭検査」を実施、記録していくという。
また、9月16日製造分の駅弁3千個余りが、同社から販売店に連絡が届かず販売され、被害が拡大したとの市保健所の指摘に対しては、商社だけでなく、同社が販売先のスーパー各店舗担当者までの連絡先を把握し、商品の回収が生じた場合にも情報伝達ができる体制を既に整えたとした。
これらの対応策を踏まえ同社は17日、全従業員に対して衛生管理に関する教育訓練を実施したという。吉田社長は「しっかり自社で管理された物を作る施設として生まれ変わっていきたい」と強調した。