Free運転免許返納とその後の生活考えよう 八戸で認知症フォーラム

高齢者が関わる交通事故や免許返納状況について講演する八戸署交通第1課の安重徹さん
高齢者が関わる交通事故や免許返納状況について講演する八戸署交通第1課の安重徹さん

認知症に関する正しい知識の普及啓発を図る「はちのへ認知症フォーラム」が8日、八戸市総合保健センターで開かれた。「認知症と車の運転について考える」をテーマに、高齢者の自動車運転の現状について医師と警察官が解説。参加した市民が運転免許返納や、その後の生活を考える機会にした。

 市が主催し、「認知症の人と家族の会青森県支部」(石戸育子世話人代表)が委託を受けて開催。今年で12回目を数える。

 フォーラムでは、はちのへ認知症疾患医療センター長の深澤隆さんと、八戸警察署交通第1課の安重徹さんが講演した。

 深澤さんは、医師に認知症と診断された時点で免許取り消しの対象となるため、運転能力の衰えを感じたら自主返納を考えた方が良いと指摘。認知症の種類によって運転能力に及ぼす症状が異なることなども解説した。

 一方で、免許返納後の引きこもり防止や生活支援、生きがいの創出といった社会全体でのケアを一緒に考えることも重要だとした。

 安重さんは、高齢者が関わる交通事故や全国の運転免許返納状況について講話。実際に安重さんの父が運転免許を返納するまでの曲折を紹介し、「これまで長く所有してきた免許を返すのは本人にとってとてもつらいこと。気持ちを尊重しながらも、事故のリスクなどを伝えて理解してもらうことが大事だ」と説いた。

 同署生活安全課による「特殊詐欺の現状」を伝えるスペシャルトークもあり、参加した約200人の市民は、メモを取りながら真剣に耳を傾けていた。

 
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