Free10年ぶりの「空気」感じて 奈良美智さん個展始まる/青森県美

奈良美智さんの創作の軌跡をたどる個展の内覧会=13日、青森市の県立美術館
奈良美智さんの創作の軌跡をたどる個展の内覧会=13日、青森市の県立美術館

弘前市出身の現代美術家・奈良美智さんの個展「The Begining Place(ザ・ビギニング・プレイス)ここから」が、14日から青森県立美術館で始まる。同館での個展は2012年の巡回展以来で、単館開催は初めて。新作や未発表作品を含む約200点を展示する。13日の内覧会後に会見した奈良さんは「自分の内部を見せるような展示になった」と込めた思いを語った。

 10年ぶりとなる今回の個展は、40年以上に及ぶ創作活動を「一本の幹」に例え、五つのテーマで構成。たびたび過去に意識を向けるようになった東日本大震災以降の活動を軸に、創作の軌跡をたどる。

 第1テーマ「家」では、初期作品の変遷を通して、作品に一貫して現れる子どもや家などのモチーフの意味に触れられる。第2テーマ「積層の時空」では、23年制作の新作と日本初公開作品を展示。いずれも高さ2メートルを超える絵画で、積層(レイヤー)が織り成す色彩表現を堪能できる。

 会期は来年2月25日まで。同館で会見した奈良さんは故郷の雪景色が想像力の原点とし、「自分が吸っていた空気を感じてほしい」と話した。

 観覧料は一般1500円、高校・大学生千円、中学生以下無料。

 
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