Free陸奥湾産ベビーホタテ、首都圏スーパーで販売へ 中国禁輸で加工業者支援

首都圏のスーパーで販売されることになった陸奥湾産ベビーホタテを試食する山本知也むつ市長(中央)ら=26日、むつ市

むつ市大畑町の水産加工会社「渡辺水産」(渡辺浩一代表)の冷凍ベビーホタテが10月3~7日、首都圏中心に1都14県でスーパーを展開する大手小売りチェーン「ベイシア」(本部・前橋市)の全130店舗で販売される。中国による日本産水産物の禁輸措置救済が目的。むつ市はさらに、ホタテの学校給食への提供などの支援についても検討を進めている。

 市によると、今月10日に前橋市のベイシア前橋みなみモール店で開かれたむつ市の物産フェアで、海産物の緊急支援として冷凍ホタテを販売。バイヤーへ商品を紹介し、ベイシア全店舗での販売につながった。


陸奥湾産ベビーホタテ=26日、むつ市

 数量は未定だが、4~9月に水揚げした直径3~5センチ程度の半成貝を出荷するという。

 渡辺水産はイカの不漁を背景に、近年はホタテの加工を主力に据える。取引先は国内の外食産業などが大半だが、中国の禁輸措置で行き場を失った北海道産が大量に国内へ出回った影響で押し出され、在庫が積み上がっている状態という。

 同社の渡辺大起常務は「市のスピード感ある対応が心強い。フェアで消費者に素材本来のおいしさを味わってもらい、リピーターができれば」と期待する。

 山本知也市長は「まずは加工業者の支援が必要」と強調。今後は学校給食での提供、在庫管理に必要な電気代の補助、台湾など海外への販路拡大の支援といった施策を検討している。

 26日は同社加工場で、関係者が宣伝写真の撮影、試食などに取り組んだ。渡辺常務は「(中国禁輸の)影響は大きい。長引けば来年の事業にも影響する」と危機感を示した。

 
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