Free【北奥羽の地名】白糠(しらぬか、東通村)/地形表すアイヌ語から

北奥羽の地名
北奥羽の地名

東通村の南端、六ケ所村との境には「白糠」という地名の集落がある。古くから漁業で栄え、近年は、東通原発の立地により国のエネルギー供給基地としても繁栄。東通村内で最も世帯数と人口が多い地区だ。

 村史などによると、白糠は1889(明治22)年の町村制施行まで、一つの村として独立していた。地名の由来は諸説あるが、アイヌ語から名付けられているという説が最有力。

 「シラル」は岩や磯を、「カ」は上をそれぞれ意味しており、干潮時には平磯が現れる海が地区の東側に広がる土地柄から、「シラヌカ」と呼ばれるようになったとみられる。

 北海道にも同集落と同字同音の町があり、地形的にも類似。こうした状況からもアイヌ語由来が有力という。

 白糠地区には、船に加えて車で通行する際にも目印となる白糠灯台(物見崎灯台)も立っており、同地区は太平洋側での“下北の入り口”のような位置付け。国重要無形民俗文化財の能舞も伝承され、文化の面でも歴史が深く刻まれている。

 
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