Free全区間を山側に 住民と青森県が合意 国道279号風間浦バイパス

全線バイパス案
全線バイパス案

風間浦村易国間からむつ市大畑町木野部までの約14キロを結ぶ「国道279号風間浦バイパス」の計画策定に向け、青森県は12日、同村で第3回地域懇談会を開き、全区間を現道より山側を通す案とすることで住民側と基本合意した。ほぼ全線が浸水想定区域より高地にあり、災害時に避難路の役割を担う。

 計画では、バイパスは現道よりおおむね500~800メートル山側の高台の林野に建設する。片道1車線。設計速度50キロを想定し、起終点の車での通過時間は20分を切る。現道とのアクセス道路は、前回の懇談会で示した4カ所に焼山崎地区を加えた5カ所とした。

 県はこれを踏まえ、10月中に概略計画を公表、2024年度からの事業化を目指す。出席した地元側も全線バイパス化を歓迎、早期開通を望む声が相次いだ。

 半面、工事に伴い下風呂地区での温泉営業や土砂流出に伴う漁業への影響を懸念する経済関係者の意見も出た。県の担当者は「動物など自然環境も含め、地元の意見を十分検討し、調査に当たる」と述べた。

 今回のルート案は、幅500メートルの「概略ルート帯」の位置付け。県は21年8月の下北地域の豪雨災害を機に、バイパスの検討に着手。前回の懇談会で「全区間バイパス整備」「現道拡幅」「現道を一部活用しバイパス化」の3案を提示していた。

 座長を務めた八戸工業大の武山泰教授は「住民の災害に対する不安に寄り添い、意向を最大限に尊重した形となった」と評価した。

 
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