Free岩手県管轄地誌、県有形文化財指定へ 保護審議会が県教委に答申

岩手県有形文化財に指定される「岩手県管轄地誌」の甲本(もりおか歴史文化館提供)
岩手県有形文化財に指定される「岩手県管轄地誌」の甲本(もりおか歴史文化館提供)

岩手県文化財保護審議会(熊谷常正会長)は8日、「岩手県管轄地誌」の甲本11巻・131冊(もりおか歴史文化館所蔵)と、乙本11巻・131冊(県立図書館所蔵)を県有形文化財として指定するよう、県教委に答申した。岩手県の成り立ちを理解し、さらには江戸時代の村の有り様を類推する上で、重要な歴史的価値を有する点などが評価された。

 県教委などによると、岩手県管轄地誌は、明治政府の指令により、県が1876(明治9)年から85(同18)年にかけて編集。第1号の岩手郡17冊から第11号の二戸郡9冊まで、全11巻・131冊で構成される。

 かつての全642村の沿革や地勢、人口、寺社、風俗、物産などを記載。内容の不正確さも一部に見られるが、当時の岩手県の有り様が事細かに記録されている。全郡分がそろって現存しているのは、全国的にも貴重という。

 調査により、始めに作成されたのが甲本で、乙本は甲本に施された修正を反映させ、清書・完成したものとされている。

 
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