Free【北奥羽の地名】尾駮(おぶち、六ケ所村)/まだら模様の良馬産出

北奥羽の地名
北奥羽の地名

現在の六ケ所村が誕生したのは1889(明治22)年。泊、出戸、尾駮、鷹架、平沼、倉内の六つの村が合併したことに由来する。

 倉内地区に伝わる村有形文化財古文書の「木村文書」では、これらの地名のいずれもが、古くからの良馬の産地を示す証拠だとしている。

 尾駮は、まだら模様(駮)の名馬を輩出したことにちなんでいるとされ、平安期の和歌に頻出する「尾駮の駒」という定型句は、この地の馬を指すという説がある。

 平安末期の源平合戦で“日本一の名馬”と称された「いけづき」も、尾駮の出だという。

 こうした伝承を地域振興につなげようと、県文化財保護協会会員の相内知昭さんら村内有志が「『尾駮の牧』歴史研究会」を設立。シンポジウムなどを通じて故事の浸透を図っている。相内さんは「観光客に歴史のロマンを感じてもらえたら」と意欲を見せる。

 尾駮地区は現在、村役場や村文化交流プラザ「スワニー」などが立地するほか、新興住宅地域として尾駮レイクタウン北地区が整備されるなど、村の中心地としてにぎわう。

 
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