Free青森県開発品種リンゴ「千雪」の苗木、無許可販売 中国ネット通販で 県、対抗措置を検討

青森県が開発したリンゴの品種「千雪」=2009年10月(県産業技術センターりんご研究所提供)
青森県が開発したリンゴの品種「千雪」=2009年10月(県産業技術センターりんご研究所提供)

青森県が開発したリンゴの品種「千雪」とみられる苗木が、中国のネット通販サイトで販売されていることが2日、県などへの取材で分かった。千雪に関する海外での知的財産権を持つ、地方独立行政法人・県産業技術センターは、苗木が不正に流出した可能性があるとみて調査しており、千雪と確認されれば、販売停止の手続きを取る方針。流出していた場合、県内で開発されたリンゴでは初のケースという。
 県によると、千雪の苗木は2008年に販売が開始された。16年の県内の作付面積は約14・6ヘクタールで、西北、中南地域が全体の約9割を占める。18年6月末までに、累計で約1万1600本の苗木が販売された。
 同センターによると、中国では15年11月に品種登録され、許可なく販売したり、栽培したりすることが禁じられている。
 中国のネット通販での販売は今年3月中旬、県内の関係者から情報提供があり発覚。今後、国の補助制度を利用して調査する。同センターの長内昌彦企画経営室長は「事実と確認されれば、対抗措置を検討していきたい」と述べた。
 千雪は酸味が少なく、甘みが強いほか、切ったりすり下ろしたりしても変色しないといった特長がある品種。生産者サイドからは海外流出の可能性に驚きと心配の声が上がる。
 生産者らでつくる県りんご協会の藤田憲彦技師は「急な話で驚いた。真偽を確かめた上で的確に対応してほしい」と要望した。
 南部町のリンゴ農家で、かつて千雪の試験栽培を手掛けたという川守田義雄さん(68)は「県内ではまだ生産者も試行錯誤の段階。中国側が勝手に生産を本格化するようなら、品種の優位性がなくなってしまう」と懸念を示した。
 千雪を巡っては、県が08年に国内で品種登録したが、担当職員が国に登録料を納付する事務を怠るなどして、登録が取り消しになった経緯があり、国内では独占的に栽培・販売する権利が失われている。