Free亡き仲間思い「墓獅子」厳かに 久慈・夏井大梵天神楽保存会

亡き神楽仲間へささげる墓獅子
亡き神楽仲間へささげる墓獅子

久慈市夏井町の夏井大梵天神楽保存会(播磨孝則会長)は28日、夏井地区の墓地で墓獅子を行い、厳かな舞で神楽仲間の御霊(みたま)の平安を祈った。墓獅子は18年ぶりだという。

 同神楽は山伏神楽の流れをくむ。由来は定かではないが、播磨家の先祖が修験者としてこの地に入って神楽を根付かせたとされる。主力の神楽人として活動していた播磨豊和さん(享年43)が8月に亡くなり、墓獅子で送ることとなった。

 若宮八幡宮で行われた葬場祭後、遺族と共に墓地へ移動し、保存会のメンバー6人が墓獅子を披露。同神楽には、獅子頭と、水がめをつるした棒をかつぐ黒装束の「水くみ女」、祈禱(きとう)舞の舞手による追悼もあるが、この日は獅子頭のみによる墓獅子が行われた。

 リズムが速く、にぎやかなお囃子(はやし)と「ハエー 亡き人もヤ 今は神となりにけるヤー」の歌が墓地に響く中、獅子頭がゆったりと頭を振ったり、あまり音を鳴らさない歯打ちを行ったり。若くしてこの世を去った仲間に、亡くなるまで傾注した神楽を届けた。

 
お気に入り登録