Free迫力のテラヤマワールド 没後40年 劇団「演劇実験室」が三沢で特別公演

特別公演「わたしはあなたの病気です」の一場面
特別公演「わたしはあなたの病気です」の一場面

三沢市ゆかりの詩人で劇作家の寺山修司(1935~83年)が今年、没後40年を迎えたことを記念し、三沢市寺山修司記念館(佐々木英明館長)は5日、同館の屋外で劇団「演劇実験室◎万有引力」を招いた特別公演を開いた。全国から約120人のファンが訪れ、迫力のある演技や演出、音楽に圧倒された。

 上演したのは寺山が手がけた戯曲「疫病流行記」で構成された「八月の紫陽花2~わたしはあなたの病気です~」。1人の少女が町を訪れたことが疫病の原因となり、病気そのものと人間が感じる恐怖が伝染していく様子を表現している。かつて欧州で大流行したペストの影響を受けた作品だという。

 不気味な演出とロック調の音楽が披露され、観客は緊張した様子で舞台を見つめていた。むつ市の会社員小野有希美さん(42)は「情報量が多くて、全体像が見えないところがおもしろかった。寺山さんの情熱が伝わってきた」と興奮気味に話した。

 同記念館の笹目浩之副館長は「このぜいたくな公演を三沢の人たちに見せることができて良かった。内容をどう受け取り、どう思うかは見た人それぞれだと思う」と語った。

 
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