Free【北奥羽の地名】天下森(てんがもり、九戸村)/豊臣軍が野営した地

北奥羽の地名
北奥羽の地名

九戸村の北東部にある長興寺地区に位置する丘陵地。地名は、天下統一を成し遂げた豊臣秀吉に由来する。

 1591(天正19)年9月、二戸に攻め込んだ豊臣側の軍勢と戦国武将九戸政実による「九戸城の戦い」が始まる直前、豊臣側は一戸へ入り、姉帯城を落城した。その後、本隊と分かれた別動隊が九戸の平糠、戸田を通って、伊保内の諸城を攻略。現在の天下森に野営の陣を張り、ここから二戸城へ向かったとされる。

 その土地には、もともと地名がなかったため、後に「天下様」と呼ばれる秀吉の軍が訪れたことから、地元の人たちが天下森と呼ぶようになったといわれている。二戸市には「天ケ塚」という地域があり、豊臣軍の戦死者を埋葬した場所として名が付いたという。

 全国各地にも「天下」と付く地名は多く、ほとんどが秀吉に由来している。天下森にはほかに、人間に化けた老ギツネが村の人をだます民話「天下森のきつね」が古くから言い伝えられている。

 
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