Free人馬一体 騎馬打毬、武技勇壮に/八戸三社大祭

毬杖をさばき、人馬一体の妙技で観客を魅了した「加賀美流騎馬打毬」=2日、八戸市の長者山新羅神社
毬杖をさばき、人馬一体の妙技で観客を魅了した「加賀美流騎馬打毬」=2日、八戸市の長者山新羅神社

八戸三社大祭中日の2日、八戸市の長者山新羅神社では、約200年の歴史を誇る青森県無形民俗文化財の加賀美流騎馬打毬(だきゅう)が行われた。武者装束の騎士が人馬一体の勇壮な武技で白熱した攻防を繰り広げ、「桜の馬場」に詰め掛けた観客を熱気に包み込んだ。

 騎馬打毬は八戸藩士の武芸の鍛錬の一環として始まり、長者山での実施は江戸時代後期の1827年から続く。国内では、八戸と宮内庁、山形市の豊烈(ほうれつ)神社の3カ所のみで継承されている貴重な馬術競技だ。

 今年は馬の確保が追いつかず、通常より1騎減らした赤白両軍3対3での対戦となり、八戸騎馬打毬会の山内正孝会長は冒頭、「完全な形に戻るまでもう少し時間を頂きたい」とあいさつした。

 それでも、太鼓と鐘の合図で出陣すると、従来と変わらぬ迫力ある試合を展開。6人の騎士は片手で馬を御しながら2メートル超の毬杖(まりづえ)を巧みに操り、「ヤァーッ」「ヨォーッ」と勇ましい声を上げて、毬をゴールの門めがけて投じていった。杖で毬をたたき落とすなど攻防が激しさを増すと観客も次第に熱を帯び、「頑張れ」「惜しい」などと大きな声援を送りながら観戦を楽しんでいた。

 会場では、向陵高生徒による徒打毬も披露された。

 同日夜には市中心街で山車の夜間運行を実施。大祭本部によると、この日の入り込み数は24万9千人で、中日としては過去最多だった。

 ●3日の見どころ●
 【お還り】神明宮、長者山新羅神社、龗(おがみ)神社の順番で神輿行列がスタートし、全27台の山車が合同運行。午後3時に長者山下(八戸市鍛冶町)を出発し、市中心街を練り歩く。市庁前市民広場では「おまつり広場」(午前11時~午後9時)を開催する。

 
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