Free【みちのく生き物観察記】トラツグミ

やぶの中からミミズを捕らえ枝に止まるトラツグミ=5月、十和田市焼山
やぶの中からミミズを捕らえ枝に止まるトラツグミ=5月、十和田市焼山

夏の夜の森で「ヒーヒョー」と寂しい声で鳴く鵺ぬえ。古事記や平家物語にも登場し、妖怪あるいは、もののけとして恐れられている。その正体は、目玉がぱっちりしてかわいいトラツグミだ。

 ツグミの中では大型で体長30センチほど。体色は茶褐色に黒いうろこ状の斑点を持つ。独特の鳴き声は春から夏にかけての繁殖期のさえずりで、夜中から朝方にかけて鳴く。曇りや雨の日は日中も鳴くようだ。

 低地から山地の広葉樹林にすみ、昆虫やミミズなどを捕る。林の中を低く飛ぶことが多く、その姿はなかなか目にすることができないが、冬場は公園や庭などの枯れ葉の間でかさかさと物音を立て、ミミズを捕ることもあるという。

 5月の新緑のころ、十和田市焼山の発電所付近の歩道で、目の端を動くものがかすめた。そのやぶの方向を見ていると、ちょっとの間だけ木の枝に移ったのが見え、撮影することができた。

 
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