Free【北奥羽の地名】根城(八戸市)/八戸の礎築いた地

北奥羽の地名
北奥羽の地名

根城は「八戸発祥の地」といわれる。1334年、南北朝時代に後醍醐天皇側の南朝側の武将として、北東北への赴任を命じられた南部師行が、統治の拠点として「根城」を築城した。

 以後、1627年に岩手県の遠野へ国替えになるまで約300年もの間、師行の子孫が居城とした。根城に拠点を置いた南部氏は、5代にわたり南朝を支えながら、八戸を発展させる礎を築いた。

 城は本丸、中館、東善寺館、岡前館、沢里館などの八つの郭(くるわ)と、これをとりまく堀からなる、約21万平方メートルの平城。日本の中世の典型的な築城形態の名残を今にとどめている。

 城跡は1941年に国の史跡に指定された。本丸跡は発掘調査に基づき主殿城柵などが復元され、史跡公園「根城の広場」として、94年に整備された。

 根城5丁目の青い森信用金庫根城支店前には、故正部家種康氏が根城について説明した看板が建てられている。南部氏による統治下にあった時代、そこは「上町」と呼ばれ、武家屋敷が並んでいたとしている。

 
お気に入り登録