Free防災強化、6階建てに 事業費269億円に大幅増/むつ総合病院新病棟

むつ市が公表したむつ総合病院の新病棟の模型=20日
むつ市が公表したむつ総合病院の新病棟の模型=20日

一部事務組合下北医療センター(管理者・山本知也むつ市長)は20日、むつ総合病院の新病棟建設事業を公表した。昨年の基本設計完了時の地上5階建てから防災対策の強化を理由に6階建てへ変更。事業費も269億円(うち工事費224億円)となり、概算事業費196億円(同154億円)から大幅に増えた。スケジュールも当初より遅れ、2027年4月供用開始、28年11月全事業完了となる。

 山本市長が臨時会見を開いて説明。事業費増については建物の階数の変更をはじめ建築資材や労務費などの高騰を挙げ、「工事金額は社会情勢により変動する可能性もある」とした。

 財源に国土交通省補助を見込み、下北5市町村の負担割合は今後協議する。本年度中に着工する構え。償還は30年。

 鉄骨造の床面積2万4539平方メートル。病床数330は基本設計時と同じ。

 1階は救急外来や手術室などを集め「超急性期フロア」と設定。がん治療や原子力災害、感染症の対応にも配慮した。

 防災対策では免震構造を採用。自家発電機などの電気設備を6階に配置するなどし、浸水被害から建物を守る。

 個室と4床室の面積を拡大。5階には小児科と産婦人科の女性専用フロアを配した。

 山本市長は現在の同病院の混雑や待ち時間の長さについて「手術室などが新病棟に移りスペースができる。循環器や内科などの混雑が緩和されれば」と説明。待ち時間の解消では「ソフト面の改革も進め、患者のケアに努めたい」と述べた。

 また、松浦修院長は取材に対し「働く環境が良くなるので、医師や看護師らの充実にもつながることを期待している」と語った。

 
お気に入り登録