Free帰還後初「DC351」移動 展示施設本格着工に向け/五戸

重機でけん引され、レール上を動くディーゼル機関車「DC351」=19日、五戸町
重機でけん引され、レール上を動くディーゼル機関車「DC351」=19日、五戸町

五戸町豊間内のごのへ郷土館に設置されている旧南部鉄道のディーゼル機関車「DC351」が19日、展示施設の本格着工に向けて重機に引かれてレール上を移動した。レール上での移動は昨年4月に同町へ帰還してから初めて。関係者らが作業を見守り、12月の展示施設の完成に向けて期待を膨らませた。

 南部鉄道は1968年に発生した十勝沖地震の影響で廃線となった。DC351は被災を免れた、現存する唯一の車両で、防災教育のシンボルとしても注目される。保管先だった京都府からの帰還時は車体を重機で持ち上げ、レール上に設置されており、それ以降は動かしていなかった。

 町や展示施設の施工業者ら約20人が見守る中、35トンの車体は重機でけん引され、ゆっくりと25メートル移動。車輪周辺の腐食などが心配されたが、問題なく動くことが確認された。

 展示施設は20日から本格着工する予定。実際の駅舎をイメージしており、車体の横にプラットホームを設置して屋根を架ける。今後は施設整備と並行し、車体の塗装修繕も進める。

 手倉森崇町総合政策課長は「地震被害を子どもたちに伝えるためにも、展示施設を無事完成させたい」と述べた。

 
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