Free温室ガス排出「正味ゼロ」へ協力を 八戸圏域調査IGESが新プロジェクト

熊谷雄一市長(右)に、プロジェクトへの協力を求めるミトラ・ビジョン・クマールさん(左)ら=27日、八戸市庁
熊谷雄一市長(右)に、プロジェクトへの協力を求めるミトラ・ビジョン・クマールさん(左)ら=27日、八戸市庁

八戸圏域8市町村で、昨年から持続可能な社会に向けた地域課題の調査を進めている「地球環境戦略研究機関」(IGES、神奈川県葉山町)は、温室効果ガスの排出量を正味ゼロとする「ネットゼロ」移行を目指すプロジェクトに乗り出し、主要7カ国の都市向けに政策提言する。日本では八戸圏域などが対象。27日は八戸市庁に熊谷雄一市長を訪ね、プロジェクトチームを立ち上げる計画などを報告し、取り組みのサポートに関する協力を求めた。

 プロジェクトでは今後数年かけ、八戸圏域、川崎市、新潟市、フランスのパリ、米国テキサス州のオースティンの5都市を対象に、温室効果ガス排出量と気温変化が人々の健康にどのような影響を与えるかを調査する。健全なネットゼロ移行に向け、政策提言報告書を作成する計画という。

 調査に当たるのは、以前に弘前大で研究していたバングラデシュ出身のミトラ・ビジョン・クマールさん(45)、プロジェクトリーダーのエリック・ザスマンさん(50)ら。ミトラさんと八戸東ロータリークラブの鐘ケ江義光さんの縁があり、八戸圏域が研究エリアに選定された。

 メンバーは熊谷市長に対し、八戸圏域の未利用地を活用した太陽光発電による発電量の試算について説明。協定締結などを通じた調査研究への支援や情報共有の相互協力を要請した。

 エリックさんは「調査を基に、気候変動対策による地域の環境や経済、健康へのコベネフィット(相乗便益)を明確に示していきたい」と述べた。

 熊谷市長は「これから詳しく検討し、できることは協力したい」と応じた。

 
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