Free十来塚囲みナニャドヤラ奉納 キリスト祭、4年ぶりの有観客/新郷

「十来塚」の周りでナニャドヤラを踊る保存会の会員ら
「十来塚」の周りでナニャドヤラを踊る保存会の会員ら

新郷村のイエス・キリスト伝説にちなんだ慰霊祭「第59回キリスト祭」が4日、同村のキリストの里公園で開かれた。神事での獅子舞や、キリストの墓とされる「十来塚(とらいづか)」を囲んでナニャドヤラが奉納され、県内外から訪れた大勢の観光客が“神秘の里”の歴史ロマンに思いをはせた。

 村観光協会(小坂章会長)の主催。コロナ禍に入ってからは、関係者による献花のみ行っていたが、4年ぶりに有観客で行った。

 伝説は1935年に茨城県で発見された古文書「竹内文書」によるもので、ゴルゴダの丘で処刑されたはずのキリストがひそかに逃れて日本に渡り、同村戸来地区で106歳の天寿を全うした―とされる。

 大祭長の櫻井雅洋村長が「先輩方は霊を慰めることの重大さを知り、慰霊祭を続けてきた。ロマンあふれるキリストの里の情景を満喫してほしい」とあいさつ。神職が祝詞を奏上し、関係者が玉串をささげた。地元の田中獅子舞保存会の奉納舞に続き、村ナニャドヤラ芸能保存会が、キリストの墓とされる「十来塚」の周りで踊りを奉納した。

 慰霊祭終了後は、ナニャドヤラ体験会がキリスト伝承館前で行われ、来場者が続々と輪の中に入り踊りを楽しんだ。東京都足立区から訪れた鈴木雄平さんは、ユーチューブで見て興味を持ち、この日のために練習していたという。「とても優雅な踊り。神秘的な雰囲気の中でたくさんの人と踊れて楽しかった」と満足げだった。

 
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