Free【北奥羽の地名】一川目~六川目(おいらせ町、三沢市)/太平洋と小川の合流点

北奥羽の地名
北奥羽の地名

【一川目~六川目=ひとかわめ~むかわめ】

 おいらせ町と三沢市の太平洋沿岸部にかけて、南から順番に並んでいる地名である。おいらせ側から一川目、二川目と始まり、三沢に入り三川目、四川目、五川目と北上、六川目で終わる。

 「三沢市史上巻」などによると、海と川が合流する周辺地帯を「川目」と呼んだことに由来し、太平洋に注ぐ6本の小川のほとりに定住した各集落に数字を充てたものだとされている。

 それ以前は五川目の辺りを木戸内(きどない)、六川目を高井沢などと記した記録が残る。古くから夏場の一時的な漁場として利用されていたが、江戸時代から定住が進んだ。

 三川目・四川目以南の漁場については、第12代藩主・南部利済の姫君の化粧料(財産)の一部とされ、全ての海産物が藩の収入源とされた時期もあった。漁業を主体とする生活は今も変わらず、三川目の三沢漁港は青森県内有数の水揚げ量を誇る。

 一方、海岸線という地理的性格もあり、地震による津波などの被害に何度も見舞われた。太平洋戦争後には、三沢基地に離着陸する軍用機などの騒音被害に伴い、四川目地区の住民が集団で移転している。

 
お気に入り登録