Free軌跡紡ぐ「わらしべ器」 アーティスト雨宮さんがイベント/はっち

「使い手の思いが詰まった器を、次の使い手につなげることができればうれしい」と話す雨宮由夏さん
「使い手の思いが詰まった器を、次の使い手につなげることができればうれしい」と話す雨宮由夏さん

東京都出身のアーティスト、雨宮由夏さんのプロジェクト「うつわを生ける」の関連イベントが3日、八戸市の「はっち」で始まった。会場に展示している器で気に入った物があれば、持ち込んだ自分の器と交換することができる、名付けて「わらしべ器」。雨宮さんは「誰かの器を次の持ち主へとつなげ、その軌跡をたどりたい」と話す。3月1日まで。

 はっちが開館以来取り組む、アーティストを招いて現地で創作活動を行ってもらう「アーティスト・イン・レジデンス」事業の一環。

 雨宮さんは昨年から市内に滞在している。今回は「普段何げなく使われている器」をテーマにプロジェクトを展開。八戸の食文化について、地元の人たちに取材しながら、器に関わるドローイングなどを制作してきた。

 わらしべ器では、あらかじめ雨宮さんが用意した器を会場に展示。来場者は、その中に好みの物があれば、所定の用紙に記入。これを同館インフォメーションに提出すると、自分の持参した器と引き換えに持って帰ることができる。誰でも参加が可能だ。

 プロジェクトでは、昨年12月から1月にかけ、市民から思い入れが深い器を募集し、それにまつわるエピソードを聞き取る機会も設けた。現在も持ち込みを受け付けているという(事前に同館への連絡が必要)。

 市民から集めた器は、25日~3月1日に同館で開催する展覧会で発表する。雨宮さんは「地元の人から聞いたエピソードや私が体験した物事を、親しみを持って見てもらえるような展示にしたい」と意気込んでいる。

 
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