Free【北奥羽の地名】白銀(八戸市)/三嶋神社のご神体か

北奥羽の地名
北奥羽の地名

【白銀=しろがね】

白銀町は八戸市東部の太平洋を臨む海岸部に位置する。同町のほぼ中心には三嶋神社があり、毎年7月には恒例の「七夕祭」で大いににぎわう。

 同町の歴史をまとめた「白銀の民俗」(越後松助著)によると、昔は「白金」と表記され、現在の「白銀」になったのは明治時代の1874年から。名前の由来は複数あり、江戸時代に漁業で栄えた地域のため海に関するエピソードが多い。

 「白銀の民俗」によると、「白金明神」と呼ばれた三嶋神社のご神体に起因しているという説がある。その昔、漁師が漁をしていると網に白い銀の鏡状のものが三つ掛かった。一つ目を金づちで打つと空中に高く飛散して見えなくなった。二つ目を打つとそれも空中に飛び見えなくなった。うわさを聞いて駆け付けた村人たちが「これはご神体だ」と、三つ目を明神の奥に納めると、村は絶えず漁に恵まれたという。

 三嶋神社に伝わる「三島御延木帳(ごえんぎちょう)」によると、同町周辺が昔は砂浜で、その付近に生える植物のつるが銀色に輝いていた様子から名付けられたという説もある。

 
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