Freeコンセント回りに注意を 電気起因の火災、増加傾向/八戸消防署管内

「トラッキング現象」の再現実験で燃えるコンセントと電源プラグ(八戸消防本部提供)
「トラッキング現象」の再現実験で燃えるコンセントと電源プラグ(八戸消防本部提供)

全国的に電気系の火災の割合が増加傾向にある。八戸消防本部管内でも、電気に起因する火災の割合が年々増えており、2022年は上半期(1~6月)だけで16件と過去10年間の最多件数を更新。主な原因は電気製品の経年劣化、不適切な維持管理や間違った使用方法にある。同本部は「コンセント回りの掃除や古くなった延長コード、充電器などを交換してほしい」と呼びかけている。

 八戸消防本部予防課によると、管内の電気に起因する火災の割合は、18年まで10%を下回っていたが、19年から10%を超え、22年1~6月は20・8%に上っている。

 今年6月までの電気系の火災件数の内訳は、電灯・電話などの配線6件、配線器具と電気機器各5件。原因としては長年、コンセントを差したままにしたことでプラグ周辺にほこりや湿気などが付着し、刃の間に電流が流れて火が出る「トラッキング現象」が疑われるものや、延長コードが家具に踏みつけられるなどしてコード内の一部が断線し、発火したと推定されるものがあった。モバイルバッテリーのリチウムイオン電池から火が上がり、住宅の壁を焼いたケースもあった。

 同課の楢館拓也消防司令補は「電気製品を実際に使っていない夜間や外出中でも火災につながる可能性がある」と危険性を説明。

 防火策として、▽モバイルバッテリーなどの充電器は膨張、異音、異臭が生じたら使用をやめる▽延長コードはメーカー推奨の時期に交換する▽電気コードを家具の下敷きにしたり、束ねて使用したりしない―などを挙げ、「日頃使っている電気製品、電源コード、コンセントなどをこの時期に清掃・点検してほしい」と注意を喚起した。

 
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