Free「卯」の字びっしり1050個  五戸の小笠原さんが干支の細字画

来年の干支「卯」の細字画を完成させた小笠原義高さん

五戸町倉石又重の農業小笠原義高(号・渓雲)さんが今秋、細字画の力作2点を完成させた。一つは恒例となった干支(えと)を題材にしたもので、2023年の干支「卯(う)」の字を書き並べ、大きな卯の字を完成させた。もう一つは「寿」の字で竜の絵を描いた。小笠原さんは「皆さんにとって、幸せな一年であってほしいと願いを込めた」と話している。

 細字画は小さな文字を書き連ね、大きな字や絵に仕立てた作品。小笠原さんの創作歴は40年以上になる。

 干支に関する作品は16年の「申(さる)」から描き始め、今回で8作目。今年は10月から作業を開始した。仕事を終えた後に毎晩約3時間、30個のペースで書き進め、1カ月半で完成。字の数は1050個に上る。小笠原さんは「ウサギのようにぴょんぴょん跳ねて、コロナ禍を乗り越えてほしい」と願う。

寿の字を巧みに用いた竜の細字画

竜の絵は、京都市在住の書家河原林春陽さんに贈るために制作。10年前、都内の書道展に出品した際に知り合い、交流を続けているという。今年、河原林さんから絵をもらったお礼として描いた。寿を選んだ理由として「縁起のいい文字で、さまざまな形に対応できる」と振り返る。

 細字画の醍醐味(だいごみ)について、「少しでも気を抜けばやり直しになるが、それを乗り越えて完成させたときは、何とも言えない満足感がある」と小笠原さん。今後について「干支の作品は、一回りする未(ひつじ)まで続けたい」と意欲を見せる。

 
お気に入り登録