Free赤字路線の乗客減止まらず 八戸線の鮫―久慈間など/JR東21年度

青森県関係区間の2021年度収支データ
青森県関係区間の2021年度収支データ

JR東日本は24日、「平均通過人員」(1日1キロ当たりの乗客数)が2千人未満だった地方路線が、2021年度は36路線72区間だったと明らかにした。新型コロナウイルス流行前の19年度(35路線66区間)から増加した。青森県関係は八戸線鮫―久慈間や大湊線の全区間など5路線8区間で変動はなかったが、平均通過人員はいずれも減少し、利用状況の悪化が浮き彫りになった。収支は五能線3区間を除いて改善した。

 データの公表は、存廃も含めた最適な交通体系について地域の中で議論を深めてもらうのが狙い。7月には19、20年度の収支データを初めて公表した。

 八戸線鮫―久慈間の赤字額は13億1900万円(19年度比1億4100万円減)で赤字幅は縮小。100円の収入を得るために必要な経費を示す「営業係数」は2422円(740円増)で、平均通過人員は318人(136人減)だった。

 大湊線の赤字額は10億7900万円(1億8700万円減)。営業係数は1430円(518円増)で、平均通過人員は297人(236人減)だった。

 JR東の担当者によると、収支の改善はコストダウンや運営の効率化による経費圧縮によるもので「コスト削減によって乗客数の減少をカバーしている」と説明している。全体でも19年度の対象だった66区間で比較すると、赤字額の合計は約693億円から約679億円に改善している。

 地方路線を巡っては、国土交通省の有識者検討会が7月、利用者が減り続ける路線の存続策やバス転換などを、鉄道会社や自治体が検討する協議の枠組みを提言している。同省は23年の通常国会で法制化し、同年度から運用する方針。

 
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