Free円急落24年ぶり145円台 米利上げ、日本緩和維持受け

 1ドル=145円台の円相場を示すモニター=22日午前、東京・東新橋
 1ドル=145円台の円相場を示すモニター=22日午前、東京・東新橋

22日の東京外国為替市場で円相場が急落し、日本が金融危機下にあった1998年8月以来、約24年ぶりに一時1ドル=145円台を付けた。21日に米連邦準備制度理事会(FRB)が大幅利上げを決定した一方、日銀は22日、大規模な金融緩和の維持を決め、改めて金融政策の方向性の違いが意識された。今年の年初来高値と比べた円の下げ幅は30円を超えた。下落幅はバブル経済期の1989年を抜き、日米欧がドル高是正で合意した85年の「プラザ合意」以降で最大となった。

 大手銀行によると円相場は一時、1ドル=145円40銭近辺まで急落した。その後は買い戻され、一時143円50銭近辺まで上昇するなど激しい値動きとなった。政府と日銀は急激な相場変動は望ましくないとして、為替介入も辞さない姿勢を示し、市場への警戒感を強めている。

 正午現在は前日比80銭円安ドル高の1ドル=144円54~59銭。ユーロは53銭円高ユーロ安の1ユーロ=141円92銭~142円03銭。

 東京市場では「FRBは(金融引き締めに積極的な)タカ派へのシフトを鮮明にした」(外為ブローカー)との声が出た。米利上げ決定によりユーロも売られ、一時約20年ぶりのユーロ安水準となる1ユーロ=0・98ドルちょうど近辺を付けた。ロシアのプーチン大統領が核兵器の使用を辞さない姿勢を示したことも要因となった。

 21日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は続落し、前日比522・45ドル安の3万0183・78ドルと6月中旬以来、約3カ月ぶりの安値で取引を終えた。パウエルFRB議長がインフレ抑制のため今後も積極的に利上げする方針を示したことで、米国が景気後退に陥るとの懸念が高まった。

 
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