Free安比に英国式の私立スクール 国内初、29日開校/岩手・八幡平

29日開校の「ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン」=岩手県八幡平市

岩手県八幡平市安比高原に、英国を代表する名門パブリックスクール(私立中等教育学校)「ハロウスクール」の系列校「ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン」が29日、開校する。7学年制の全寮制で、多国籍の子どもたちが総合的で多面的な教育を受け、世界で活躍する人材への成長を図る。同校は将来的に、児童生徒約900人が集う学校への発展を展望する。

 ハロウスクールは1572年創立。英国のチャーチル元首相らの出身校として知られる。中国やタイにインターナショナルスクールを設け、安比校は日本校第1号となる。

 同校は岩手県、八幡平市での開校を決めた理由として、自然が広がり、都市型とは異なる形で、より教育を強化できる環境がそろっていた―などと説明する。

 同校は英国式の教育を採用し、7~13年生(日本の小学6年~高校3年)が対象。初年度は7~10年生(小学6年~中学3年)の約180人の入学を目指しており、8月1日現在、アジアを中心に12カ国の生徒が入学試験に合格している。

 勉学や芸術、運動など多様な活動を支える校舎、生徒が生活する寮棟は約10ヘクタールの広大な敷地に建設。安比高原という立地の特性を生かし、ウインタースポーツやゴルフ、登山など、さまざまなスポーツや野外活動を体験できるのも特色だ。

 日本の法律上は各種学校として認可を受けており、教育課程を修了すれば英国での高卒資格が得られる。学費(授業料、寮費含む)は高額で、年間約850万~890万円。

携協定の協定書を掲げる(左から)達増拓也岩手県知事、マイケル・ファーリー校長、佐々木孝弘八幡平市長=1日、岩手県八幡平市

学校法人と県、八幡平市は1日に連携協定を締結した。▽教育・文化・スポーツの振興▽地域資源の活用▽国際化の推進―などに連携して取り組み、市民との交流や地域振興を進める方針だ。

 協定締結に当たり、達増拓也知事は「岩手の教育環境の向上、多文化共生への理解に効果が期待される」と強調。佐々木孝弘市長は「国際都市としてのブランド力と知名度の向上、交流人口や観光客の増加につながると確信する」と市への波及効果を期待する。

 マイケル・ファーリー校長は「互いに学び分かち合う精神を育んでいく。襟を正して運営に努め、県民や市民が誇れる学校にしたい」と意欲を語る。

 誘致した岩手ホテルアンドリゾート(盛岡市)は、同校の開校をきっかけに、リゾート産業振興などを進め、将来的に安比高原での約1万人規模の定住圏誕生を構想している。

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