Free【北奥羽の地名】長者(八戸市)/市民憩いの場に由来

北奥羽の地名
北奥羽の地名

八戸市中心部からほど近い住宅地。古くから人々に親しまれている地名だ。

 名前の由来は長者山。春の花見、三社大祭の騎馬打毬(だきゅう)、冬のえんぶり―と、一年を通じて催事が行われる市民の憩いの場で、周辺には神社仏閣も多く集まる。

 長者山のいわれを示す伝説として、二つ伝わっている。一つは、ある大金持ち(長者)が、山に住んでいたという話。全国各地にも同じような地名が残っている。

 二つ目は、市内数カ所にも伝わる源義経の北行伝説にまつわり、義経の家来である板橋長治という人物が、主人の居場所を山につくったことから呼ばれていた「長治(ちょうじ)山」が元だという説だ。

 市立長者小元校長の木村昌平さんは地名について、1889年から12年間だけ存在した「長者村」に注目する。名前は長者山に由来し、糠塚村など周辺5カ村が合併して誕生したが、後に八戸町に吸収された。

 木村さんは「当時、村立として誕生した小学校に長者と名前が付いた。この頃から地名としても市民に定着したのでは」と考察している。

※ネット連載

 

 
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