Free物価高、学校給食にも波及 値上げ回避へ対応苦慮 青森県南自治体

子どもたちが楽しみにしている給食。物価高騰の影響は大きい(写真はイメージ)
子どもたちが楽しみにしている給食。物価高騰の影響は大きい(写真はイメージ)

ロシアのウクライナ侵攻や円安などに伴う物価高騰が、学校給食にも波及している。食用油や小麦製品といった多くの食材が値上がりし、青森県内の自治体や給食センターでは、追加の予算措置に加え、献立作成や材料選びでやりくりを続ける。子どもの成長に必要な栄養を確保し、保護者の負担となる給食費値上げを回避できるか―。物価高騰の収束は依然見通せない状況にあり、対応に頭を悩ませている。

 三沢市学校給食センターでは、食材の仕入れ値が昨年から今年にかけ、平均で約1割上昇。特に小麦の高騰に苦慮しており、これまで週1回提供していたパンと麺類を隔週に変更。代わりに、地元産の「まっしぐら」を使用した米飯を増やした。

 八戸市の給食用食材で、特に値上げ幅が大きかったのは揚げ物に使うナタネ油。主要産地がウクライナのため、1缶(16・5キロ詰め)当たりの単価は2021年度が2980円だったのに対し、22年度が5250円と76%も上昇した。年間で約16トンを購入しており、金額的な影響は大きい。

 デザートの回数を減らすなど献立の組み立てで調整しているが、市教委は「デザートは子どもたちが楽しみにしているし、季節ごとの行事色も失われてしまう。これ以上は減らしたくない」とため息をつく。

 今後もさまざまな食材が高騰する可能性があり、現場の努力だけでは対応が難しい事態となっている。財政出動を迫られる自治体も出てきた。

 南部町は6月の町議会定例会で、給食事業費への追加予算320万円を含む一般会計補正予算を可決した。町は15年度から給食費無償化を実施しているため、追加予算は全て町単独の出費となる。

 町教委は「質や量で調整し、子どもや親への負担となるのを避けるためやむを得ないが、これ以上の高騰は困る」と漏らした。

 八戸市は食材費や調理の燃料費、電気料金の高騰分など補填(ほてん)するため、国の新型コロナウイルスに関する地方創生臨時交付金を活用し、1億円を追加補正する方針だ。

 当面は値上げをせず、保護者の負担増は避けられそうだが、市教委の大館秀光教育部次長は「今回の食材高騰は収束の見通しができない。給食を1品減らすなども考えられるが、子どもの栄養面を考えれば難しい」と険しい表情で語った。

お気に入り登録