Free再エネ「何でも良いはおかしい」 三村知事、大規模風力発電事業に苦言

10日の青森県議会一般質問で、青森県の三村申吾知事が住民から反対の声が上がる一部の大規模風力発電事業を巡り、「再生可能エネルギーなら何でも、どこでも良いみたいな昨今の雰囲気はおかしい」と苦言を呈する場面があった。壇上に立った鹿内博県議(県民の会)から事業の見直しを求められ、「意見としては一致している」と同調。エネルギー政策について、普段は冷静かつ淡々と答えることが多い三村知事だが、珍しく感情をあらわにした。

 住民が反対しているのは、青森や十和田など6市町で計画される(仮称)みちのく風力発電、十和田市奥瀬で計画されている(仮称)惣辺奥瀬風力発電。鹿内議員はこの2事業を取り上げ、自然景観や環境への影響をただした。

 これに対し、三村知事は「県民の命と暮らしを守る大切な水を蓄える森林を、無秩序に開発していいわけがない」と、大規模開発による水源への悪影響を指摘。観光振興にも触れ「貴重な自然景観、各地に根付く文化も尊重されるべきだ」と強調した。

 法律的に問題がなければ事業が進められる現状の制度に不満も。「ある日突然ぽっと事業が始まる。そういう感覚で物事が進んでいいわけは絶対ない。いかに頭にきても、役所なので法律や手続き論でやり取りするしかないが…」と不快感を示した。

 いつもは原子力政策などを巡り、理事者側と熱い論戦を繰り広げる鹿内県議。「初めて知事と同じ方向性になった。質問に立って良かった」と“想定外”の反応に驚いた様子だった。

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