Free【貨物船座礁】ウッドチップが大量漂着 八戸・市川漁港付近

大量に漂着したウッドチップ。一部は波で海に戻されていた=1日、八戸市
大量に漂着したウッドチップ。一部は波で海に戻されていた=1日、八戸市

八戸港沖で昨年8月に発生したパナマ船籍の貨物船の座礁事故で、積み荷とみられるウッドチップが八戸市市川町の市川漁港近くに大量に漂着しているのが1日、見つかった。事故現場の海底に滞留していたものが、しけの影響で流れ着いた可能性がある。漁業関係者は「沖合にはさらに広がっているかもしれない」と懸念している。

 船主側によると、現在も現場に残る貨物船の船尾部分には約8400トンのウッドチップが積まれていた。これまでに1436トンを回収。ただ、3月下旬ごろには船体近辺にあったウッドチップの大半がなくなっており、しけなどで広い範囲に流されたとみられている。船主側は残りのウッドチップは発見し次第回収し、近日中にも始まる船体の撤去終了後にも回収作業を進める方針だった。

 同日、ウッドチップが見つかったのは、同市市川町の沿岸部。午前7時半ごろに発見した市川漁協(同市)の木田茂美組合長は「これまで海のごみに多少紛れているのは確認していたが、これほどまとまって流れ着いているのは見たことがない」と話した。

 同漁協所属の船の多くは現在、休漁中で、漁船の整備作業などを進めている。このため、現時点で漁への大きな影響はないという。

 一方、近日中に始まる船体の撤去を巡っては、作業に伴い、さらなる油流出の恐れが浮上している。木田組合長は「漂着したのはほんの一部だろう」と指摘した上で、「海全体にはどれくらい広がっているのか全く見当が付かない。(油流出の懸念もある中)今後どの程度影響が続くかも分からない」と不安視した。

 ウッドチップの漂着について船主側の弁護士は取材に「状況は適宜、現地で確認し、対応を協議している。今後もまずは現地で確認を進める」と述べるにとどめた。

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