Freeデーリー政懇8月例会 東北大大学院理学研究科、日野亮太教授が講演

地震発生に関する海底地殻変動について講演する日野亮太氏=25日、八戸市
地震発生に関する海底地殻変動について講演する日野亮太氏=25日、八戸市

デーリー東北政経懇話会8月例会が25日、八戸プラザホテルで開かれた。東北大大学院理学研究科教授の日野亮太氏が「東北地方太平洋沖地震から10年~海底地殻変動の研究から分かってきたこと」と題して講演。今後、東北地方で発生が想定される地震や、予測に向けた取り組みについて解説した。

 日野氏は大阪府生まれ。同大大学院理学研究科博士課程を修了し、2015年から現職。地震学が専門で、海底に地震計や地殻変動を観測する機械を設置し、そのデータを解析する研究に携わっている。

 東北地方で大きな地震が発生する周期について、過去の地震活動や津波の痕跡から推測。11年の東日本大震災級が約600年、1968年の十勝沖地震級が約100年、94年の三陸はるか沖地震級が約30年と説明した。

 その上で「過去の履歴だけでは予測に限界がある。プレート間の固着やすべりの現状把握も考慮に入れるべき」と強調。「現在、海底地殻変動の観測はリアルタイムで分からず、直前の予知はできない。観測体制をしっかり整える仕組みが必要だ」と訴えた。

 
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