Free十和田市の人口6万人割る 60年代後半の水準に

十和田市の人口と今後の推計
十和田市の人口と今後の推計

住民基本台帳に基づく十和田市の3月末の人口は5万9963人で、6万人を割り込んだ。5万人台は、合併前の旧市と旧十和田湖町を合計した1960年代後半の水準。出生数の減少による自然減に加え、市外転出による社会減に歯止めがかからず、市の活力低下が浮き彫りになっている。

 同市は2005年に合併。合併前の旧市町を合計した65年以降の12月末時点の人口を見ると、70年に6万人を突破した。ほぼ毎年増加し、94年から04年は6万9千人台とピークに。最多は00年の6万9926人(旧市6万3701人、旧町6225人)。その後は毎年減り続け、20年は00年比13・7%減の6万345人に。今年4月末は5万9966人だった。

 国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では、市は30年代前半で5万人、40年代後半で4万人を割り、60年には3万338人になると予測する。一方、市が20年に改訂した市まち・ひと・しごと創生人口ビジョンでは、40年代前半まで5万人台を維持し、60年には同研究所の推計を約1万4千人上回る4万3946人を目標に設定する。

 同市は人口ビジョン達成に向け、第2期総合戦略(20~24年度)で移住・定住の促進による社会減の縮少や、子育て世代の支援による合計特殊出生率の向上などを掲げ、各種事業を実施している。

 移住お試し住宅や住宅取得にかかる経費の一部を補助する支援事業などは利用者が増加傾向にあるが、全国的な人口減少の中で解決策は見いだせず、今後も減少は避けられない。

 市政策財政課は「人口ビジョンに近づけるよう、総合戦略に掲げた基本目標に沿って、地道に取り組んでいくしかない」とする。

 
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