Free【月刊Dash】きょうプロ野球ドラフト!指名なるか大道温貴投手(八学大)

きょう26日に行われるプロ野球ドラフト会議で指名が有力視される八戸学院大の大道温貴投手。月刊スポーツマガジンDash4月号では、北東北大学野球リーグの注目選手として取り上げています。4月号の記事をお届けします。

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まだまだ寒さの残る2月下旬、八戸市美保野の室内練習場で白い息を吐きながら練習する八学大のメンバーに交じって、大道は入念に体をほぐしていた。「投手陣の調整は個々に任されている」という。キャッチボールをしながら、大学最後の球春へ着々と準備を進めていた。

八学大に進学したきっかけは、高校時代の恩師の言葉だった。「東京六大学や東都など、関東地方のリーグだと実戦デビューが遅くなる。プロを目指すなら、早くから試合で投げて活躍することを目指すべきだ」。高校時代に八学大の正村公弘監督から指導を受けた縁もあり、本州最北の地を踏んだ。

オーバースローで投げ込む140キロ超の直球やカーブが武器で、高校時代は2年秋からエースを担った。3年夏の埼玉大会は準決勝で強豪・花咲徳栄に敗れた。「自分は大事なところで取りこぼしていた。みんなを引っ張れるエースではなかった」と苦笑する。

大学では、恩師の言葉通り1年春から背番号をゲットし、試合に出続けた。カットボールやチェンジアップなど球種を増やし、着実に投球の幅を広げてきた。昨春のリーグ戦では11季ぶり優勝の原動力となり、勇躍、全日本大学野球選手権のため、会場の東京ドームに乗り込んだ。

1回戦の佛教大(京都)戦。先発マウンドではピッチングがさえ、八回まで無失点と快投だったが、完封勝利も視界に捉えた九回に制球が乱れ、1死満塁のピンチを招いて降板した。スタミナ切れだった。チームは4点を奪われて逆転負け。「チームを勝たせられず、悔しかった」

直後の夏は徹底的に走り込み、下半身を中心としたウエイトトレーニングにいそしんだ。食事量も増やし、体重を7キロ増量。スタミナに加え制球力も強化した。決め球の右打者へのスライダー、左打者へのチェンジアップなど変化球の切れも向上。「自分が取りたいと思うところで三振が取れるようになった」。秋季リーグ戦ではチームは3位と振るわなかったが、大道自身は2試合で完封勝ち。42イニングで49奪三振の活躍だった。

2020年は大学で過ごす最後の一年。集大成の年を迎え、「春秋のリーグ戦で優勝し、全国大会に出たい。最優秀防御率など個人タイトルも狙う」と意気込んでいる。

その先に見据えるのは「上位指名でのプロ入り」だが、入団が目標ではない。「いかに活躍できるか、長くプレーできるか」だ。そのための準備を静かに、熱いハートで続けている。

おおみち・はるき 1999年1月生まれ。埼玉県出身で、小学生時代はシンガポールで過ごした。川口市立八幡木中(埼玉)で軟式野球に取り組み、春日部共栄高を経て八学大へ進学。八学大では1年春から先発投手を務め、3年秋までで通算20勝4敗。177センチ、82キロ。

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