北京五輪「成功に協力」表明せず

 2020年11月、共同記者発表する中国の王毅国務委員兼外相(左)と茂木外相=東京都港区の飯倉公館
 2020年11月、共同記者発表する中国の王毅国務委員兼外相(左)と茂木外相=東京都港区の飯倉公館
 茂木敏充外相が、5日に行われた中国の王毅国務委員兼外相との電話会談で、昨年までは「成功に協力する」と表明していた北京冬季五輪について「期待する」との表現に後退させたことが15日、分かった。複数の日本政府筋が明らかにした。新疆ウイグル自治区での人権問題への批判から米国などでボイコット論まで出ていることを考慮し、姿勢を転換した。

 王氏は電話会談で、東京五輪にも触れ「開催を中日が相互に支持することを望む」と要請した。日本政府筋は姿勢転換について「米国などの動向に備える狙いがある」と指摘、今後、日中関係の火種にもなりかねない。