初司法取引のタイ贈賄、双方上告

 捜査協力の見返りに刑事処分を減免する司法取引制度が初適用されたタイの発電所建設に絡む贈賄事件で、不正競争防止法違反(外国公務員への贈賄)の罪に問われた「三菱日立パワーシステムズ」(MHPS、横浜市)の元取締役内田聡被告(66)を罰金250万円とした7月21日の東京高裁判決に対し、検察側、被告双方が3日、不服として上告した。

 昨年9月の一審東京地裁判決は、元執行役員ら部下2人=いずれも有罪確定=と共謀し賄賂を供与したと認めたが、高裁判決は、部下の贈賄を手助けしたほう助の罪にとどまると判断。懲役1年6月、執行猶予3年とした一審判決を破棄し、罰金刑とした。