Free【月刊Dash】雑草魂を燃やすベテラン/ヴァンラーレ八戸GK横山卓司

横山卓司
横山卓司

ヴァンラーレ八戸の今季のGKは3人全員が新加入選手。中でもここまで5試合に出場し、好調をアピールしているのが横山卓司(31)だ。身長182センチとGKとしては決して長身ではないが、「どんなボールにでも食らい付く。チームに流れを持ってくるようなセービングを見せる」と今季の戦いに闘志を燃やしている。
 (13日に発行の月刊Dash5月号から記事をセレクトしてお届けします)

 GKに興味を持ったのは地元(福島県)の少年チーム・高田少年団に所属していた10歳の頃。先輩GKの試合や練習ぶりを見て、「11人の中で1人だけ別のユニホームを着ていることに憧れた」。

 日本代表GKの川口能活、楢﨑正剛がワールドカップを含む代表戦で大活躍していた時代。すぐさまチームのGKへ志願し、守護神としてのキャリアをスタートさせた。ただ、地元の小学、中学は共に選手数が少なく、「弱小チーム」。大会では県大会前の地区予選で敗れることが多く、自身も「全国的に活躍できる選手ではなかった」。

 高校は地元を離れ、富岡高に進んだ。サッカー部は入学と同時に設立されたばかりだったが、福島県で活動していた日本サッカー協会GKコーチの指導を受け、着々とレベルアップ。「小学生で教わるようなGKの基礎を一から教わり、技術的にも精神的にも強くなれた」。新潟医療福祉大では2年からチームの正GKを担い、4年時には大学選手権など全国の舞台で躍動した。

 卒業間際には当時若手GKを探していた東北社会人リーグ1部のグルージャ盛岡(現・いわてグルージャ盛岡)に入団を志願。実力が認められ、加入が決まった。

 とんとん拍子での入団だったが、チーム内のポジション争いに勝てず、当初は出場機会は少なかった。それでも腐らず、練習に打ち込む姿勢、仲間を鼓舞する声などでチームを盛り上げた。「サッカーが大好きだから気合だけは十分だった」

 中でも徹底したのは、味方へのコーチング。守備陣のマークのずれや、スペースなどを指示し、若手ながらにリーダーシップを発揮した。このひたむきな姿勢がチームに評価され、4年の在籍期間で27試合に出場した。

 その後はJFL(日本フットボールリーグ)の青森に入団。現在、八戸で監督を務める葛野昌宏氏の下でも1季プレーした。当時JFLでしのぎを削った八戸の印象は「選手一人一人が一生懸命にプレーする。相手にするとすごく嫌なチームだった」。葛野監督との縁もあり、今季から八戸に移籍した。

 今季7試合中5試合に出場し、正GKの座をつかみつつある。新天地でも徹底しているのは、味方との意思疎通で、「コーチング一つで、相手の得点機をなくすことができる」。残りのリーグ戦では「一試合でも多く出場すること」が目標。

 「ただでは相手にゴールを決めさせない。チームで守って、泥くさく勝利をつかみ取っていきたい」。雑草魂を燃やし、さらなる活躍を誓っている。

 ※Dash5月号は、自転車競技、青森ワッツのシーズン総括などを特集。本紙発行エリアのコンビニ、伊吉書院、成田本店(青森市内3店含む)、本紙販売店で販売します。津軽地方の方は成田本店がお求めやすいです。

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