Free大湯と新湯、有志が記録誌製作へ/下風呂温泉郷(風間浦)

記録誌製作への思いを語る大下彩也香さん
記録誌製作への思いを語る大下彩也香さん

今月30日で閉館する風間浦村の下風呂温泉郷の公衆浴場「大湯」と「新湯」の記録を残そうと、むつ市の有志5人が記録誌の製作を進めている。5人は実行委員会を作り、インターネットを介したクラウドファンディング(CF)で資金を募るほか、記録誌に掲載する写真を募集している。完成した記録誌は協力者にプレゼントし、村内の学校や公共施設に寄贈する。

 下風呂は硫黄泉の湯治場として室町時代から栄え、今も地域住民や観光客に愛されている。現在の両浴場は築50年以上で老朽化が激しく、村では新たに両浴場を集約した村営浴舎「下風呂温泉『海峡の湯』」を温泉郷内に建設している。

 新浴舎は来月1日に開業。源泉の湯が新浴舎に回されるため、両浴場は営業できなくなる。建物も将来的に解体される予定だ。

 記録誌製作は、実行委員長を務める大下彩也香さん(27)が両浴場を訪れた際、脱衣場に置かれたノートを目にしたのがきっかけ。「本当はこのままの温泉を残してほしい」。愛着と惜別の思いがにじむ多くのメッセージを見て、「何とか思い出を残せないか」と思い立った。大下さんはむつ青年会議所のメンバーに協力を依頼し、記録誌製作の準備を進めてきた。

 5人は15日、同村の下風呂公民館で村民に計画の趣旨を説明。写真の提供など協力を呼び掛けた。

 CFは下北5市町村が運営する「FAAVO(ファーボ)下北」を活用し、29日まで募集中。写真は外観や内観、人物、物などが映っているカットで、来月10日まで受け付けており、両浴場や村役場に持ち込みもできる。

 記録誌は1月上旬までの完成を目指している。問い合わせは大湯新湯記録計画実行委=電子メールshimofuro.kiroku@gmail.com
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