Freeむつ小川原事業で記念硬貨?謎のコイン、ネットで話題/むつ小川原石油備蓄は関係否定

謎の硬貨としてSNSに投稿されたコイン。「むつ小川原国家石油備蓄基地開発事業記念」と記されているが、出自は不明(ハリジャンぴらのさん提供)
謎の硬貨としてSNSに投稿されたコイン。「むつ小川原国家石油備蓄基地開発事業記念」と記されているが、出自は不明(ハリジャンぴらのさん提供)

六ケ所村のむつ小川原国家石油備蓄基地の事業を記念したとみられる金色のコインが、インターネット上で話題になっている。コインには開発事業記念の文字とともに「日本国」「千円」などと描かれており、一見すると記念硬貨のようだが、国や事業者らが発行した記録が一切ないからだ。地元の関係者は「なぜ存在するのか分からない」と口をそろえており、出自を巡る謎が深まっている。
 このコインについては、昨年10月、会員制交流サイト(SNS)にハリジャンぴらのさん(ユーザーネーム)が家で保存していた謎の硬貨として写真を投稿。表には同基地とみられるデザインを中心に、「むつ小川原国家石油備蓄基地開発事業記念」の文字が取り囲むように配置されており、裏面には千円などと記されているのが特徴だ。
 しかし、財務省や造幣局によると、発行記録はない。同省の担当者は「少なくとも硬貨ではない」と断言する。出どころが判然としないため、ネットメディアなどで「実在しない硬貨」と取り上げられることになった。
 地元関係者も存在については認識しているものの、出自は分かっていない。同基地を管理運営する同村のむつ小川原石油備蓄は取材に「青森県から昨年照会があって調べたが、会社では出していない」と回答。
 社内で聞き取りをした結果、同基地に石油タンクが設置された1983年ごろには既に出回っていたとの情報があったというが、それ以上は不明でコイン所有者も見つからなかった。「どこかの業者が記念で配布した可能性などもあるが、古い話なのでなんとも言えない」と戸惑う。
 「むつ小川原開発」のマスタープラン作成など同事業に長年携わってきたむつ小川原アシスト(同村)の小笠原光孝社長も「開発を通じて記念コインを作ったこともない。そもそもデザインもおかしい」と指摘。実際の基地内には描かれているような塔などが存在しないため、想像で描かれた可能性があるという。
 「開発当時は原野商法のようなことを行うブローカーもいた。何らかに利用するために作ったのではないかと勘ぐってしまう」との見方を示した。
 コインの出どころは、地元の事情に精通した関係者でも解明できないミステリーの様相を呈している。ただ、通貨でないのは確かなため、財務省などは「千円という額面通りの価値はないので注意してほしい」と呼び掛けている。