Free利用者好評、事業開始に期待の声 八戸と新郷の買い物支援バス、実証運行終了 

買い物を終えてバスに乗り込む新郷村の利用者=31日、五戸町のよこまちストア五戸店
買い物を終えてバスに乗り込む新郷村の利用者=31日、五戸町のよこまちストア五戸店

八戸市尻内町笹ノ沢地区と新郷村で行われていた、買い物弱者を支援する無料のバス送迎サービスの実証運行が31日で終了した。利用者からは買い物の利便性が高まったほか、地域コミュニティーの維持につながるなど好意的な意見が出て、正式な事業開始を期待する声が相次いだ。

 送迎サービスは、青森県の「持続可能な買い物支援サービス網構築事業」の一環。実証運行は昨年11月から行われていた。

 笹ノ沢地区は八戸駅周辺(毎週月曜)と、白山台地区のユニバース八戸ニュータウン店(毎週木曜)をそれぞれ結ぶ2路線。新郷村は五戸町内のスーパーやドラッグストア、ホームセンターなどを回るコースで、平日の曜日ごとに5路線を運行。利用に当たっては事前登録が必要で、県によると1月20日時点で笹ノ沢地区は44人、新郷村は120人が登録した。

 新郷村の最終運行日となった31日は、同村西越地区の住民13人が利用した。

 よこまちストア五戸店で買い物を終えた利用者からは「冬場に車を運転する負担が少なく助かった」「複数の店舗を回るのでさまざまな物を見て買い物することができた」などの意見が寄せられた。

 利用者の補助員も務めた田中弘子さん(64)は、同店で取材に応じ、買い物以外にも効果があったことを強調。「冬は寒さや雪で近所が付き合いも減る。送迎バスで顔を合わせることで、安否や健康状態を確認し合うことができた」と話した。

 今後について、県は利用者へのヒアリング結果や利用実績などを検証し、車両や人員の確保などを含め、事業化を検討する。3月に成果発表を予定している。

 
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